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2012年9月 JRCがナノマテリアル定義の実施のための粒子径測定手法に関する評価レポートを公表

2012年9月17日、欧州委員会の共同研究センター(JRC)は、『用語「ナノマテリアル」の欧州委員会定義の実施のための測定要件」と題するレポートを公表した(プレスリリースレポート本体)。欧州委員会は、2011年10月18日、規制目的のための用語「ナノマテリアル」の共通定義に関する勧告を発表したが、この定義の適切な実施には、適切なツールと方法論が必要であり、それらにとって測定ということは極めて重要である。JRC傘下の標準物質・計量研究所(IRMM)と健康・消費者保護研究所(IHCP)に所属する7人の研究者が執筆した本レポートは、当該定義に基づくナノマテリアルの粒子径測定のための要件を説明し、関連する一般的な測定上の問題を論じ、また、現在利用可能な測定手法の能力を検討し、さらに、測定上の未解決の問題を実施例と共に解説している。

本レポートの要旨(Executive Summary)の和訳を作成したので活用してください(リンク)。

追記:第3章「粒子径分析におけるにおける共通の信頼性の問題」の和訳を作成しました(リンク

 

【参考】欧州委員会のナノマテリアルの定義の波及
・2011年10月18日、欧州委員会は、ナノマテリアルの定義に関する勧告2011/696/EUを公表した。欧州官報掲載10月20日。
→2011年10月 欧州委員会が規制上のナノマテリアルの公式定義を発表(リンク
→2011年10月 欧州委員会の規制上のナノ定義のQ&A(リンク
州規則No 528/2012(欧州官報掲載6月27日)では、欧州委員会のナノマテリアルの定義を修正参照した上で、一般活性物質とナノ活性物質を分別した安全性評価と表示を義務化している。2013年9月1日から施行。
→2012年5月 欧州で殺生物製品の上市と使用に関する規制が採択(リンク
・米国大統領府は、連邦規制省庁に宛てた2011年6月9日付けの覚書「ナノテクノロジー及びナノマテリアルの応用に対する規制と監視に関する米国の意思決定のための政策原則」を公表した。この中で、「ナノマテリアルに観察される新しい特性と現象に焦点を当てることは、結局は、サイズのみに基づいた一概な定義よりも役立つかもしれない。」と指摘している。
→2011年6月 米国大統領府が連邦規制省庁に向けてナノテク規制のための原則を発表(リンク
・2012年6月29日、オランダの国立公衆衛生・環境研究所RIVMは、「欧州委員会のナノマテリアルの定義の解釈と影響」と題するレポートを公表した。欧州委員会のナノマテリアルの定義勧告の各条項を解説し、REACHを含む欧州のナノ関連法令への影響を考察している。
・フランスでは、環境法典に設けたナノ粒子状物質の製造・輸入・流通に係る年次申告制度(2013年1月1日施行)を実施するため、2012年8月6日付けの省令を制定。この中で、申告の対象となるナノ粒子状物質の定義には、欧州委員会のナノマテリアルの定義を修正参照している。
→2012年8月 フランスのナノ粒子状物質年次申告制度の法令整備が完了(リンク
・2012年8月28日、ベルギー・ブラッセルに事務所を置く非営利団体、欧州消費者機構BEUCは、「化粧品中のナノマテリアル:定義は効果的に消費者を守るべき」と題する主張を公表した。欧州化粧品規則と欧州委員会の勧告にナノマテリアルの異なる二つの定義があるところ、化粧品中のナノマテリアルの定義に個数分布で0.15%以上の粒子がナノサイズのもの、非意図的生成ナノ粒子、可溶性ナノ粒子やナノ構造化物体であって循環系に化合物を放出するよう設計されたもの、及びフラーレンのような1ナノメートル未満のものを含めること、また、粒子径分布に関する体積比表面積の要件だけでは粒子の反応性に大きく影響する表面積の情報としては不十分であると記述することを求めている。
・経済産業省の「ナノ物質の管理に関する検討会」の計測技術WGでも「EC等のナノ物質の定義に対応可能な計測方法の絞込み」を検討している。