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2012年8月 フランスのナノ粒子状物質年次申告制度の法令整備が完了

フランスのナノ粒子状物質年次申告制度のための法令の整備は、以下のとおり、2010年7月、2012年2月及び2012年8月の3段階で進められ、申告制度の根幹については完了した。2013年1月1日に施行される。

この法律の第185条によって、環境法典の「法律の部」の第5巻「汚染、リスク及び迷惑の防止」第2編「化学製品、殺生物製品及びナノ粒子状物質製品」に第3章「ナノ粒子状物質への暴露による健康・環境リスクの防止」として第L523-1条~第L523-5条を追加した。これが申告制度の根拠となる法律で、以下の内容になっている。
第L523-1条 ナノ粒子状態にある物質、結合していない混合物の状態、通常の又は合理的に予測できる使用状態で当該物質を放出する材料を製造、輸入又は流通する者は、定期的に行政当局に、追跡可能性と情報公開のために、当該物質の同定、量及び用途、当該物質の譲渡先である事業での使用者について申告すること。物質の同定と用途に関する情報は、第L521-7条の規定に従って公開する。行政当局は、国防上の利益を保護するために前記規定に対して必要な免除規定を設けることができる。使用者に関する情報は、工業商業の営業秘密であり、第L521-7条第2項の規定に従って取り扱う。
第L523-2条 前条に規定する物質を製造、輸入又は流通する者は、行政当局の求めに応じ、入手可能な当該物質の危険性に関する情報、もたらすであろう暴露に関する情報、健康・環境に係るリスク評価に有益な情報を全て提供すること。
第L523-3条 前2条で得られる情報は、第L521-12条に規定する監督当局及びリスク評価に携わるデクレで指定する機関に提供する。
第L523-4条 国務院デクレで前3条の規定の実施の方法を定める。
第L523-5条 前4条の規定は、第L522-1条に規定する製品(=殺生物製品)の成分に適用する。
このデクレは、環境法典第L523-4条の規定に基づき、第L523-1条~第L523-3条の規定を実施するための詳細を規定しており、6条から成る。このデクレの第2条によって、環境法典の「命令の部」の第5巻「汚染、リスク及び迷惑の防止」第2編「化学製品、殺生物製品及びナノ粒子状物質製品」に第4章「ナノ粒子状物質への暴露による健康・環境リスクの防止」として第R523-12条~第R523-21条を追加した。これが年次申告制度の根拠となる政令で、以下の内容になっている。
第R523-12条 用語の定義。うち、ナノ粒子状物質の定義は、(欧州委員会の定義勧告の内容のコピーであるが)、意図的に製造されたものに限定し、また、個数サイズ分布における最低比率は、関係省の共同省令で定める。
第R523-13条 年間100グラム以上の製造・輸入・流通が対象。毎年5月1日までに環境大臣に提出。情報の管理は、食品安全・環境・労働庁に委任。申告の内容及び提出条件は、関係省の共同省令で定める。
第R523-14条 科学的研究開発であって上市しない場合の簡易申告。
第R523-15条 公的研究機関の場合の総括的申告。
第R523-16条 未完申告や情報不足の場合、食品安全・環境・労働庁は、完全申告や必要情報を2か月以内に提出するよう要求。
第R523-17条 申告情報は受領2か月以内に食品安全・環境・労働庁に回付。
第R523-18条 申告者の申請に基づく営業秘密や知的財産の秘密扱い。科学的研究開発であって上市しない場合の自動的秘密扱い。
第R523-19条 申告情報の公開は、毎年、申告期限から6か月以内に実施。
第R523-20条 申告情報の公開の免除を防衛大臣に申請できる。免除の決定は防衛大臣から申請者及び食品安全・環境・労働庁に通知。
第R523-21条 罰金最高3千ユーロに、決定から履行まで日額3百ユーロを加算。
第R523-12条~第R523-20条は、2013年1月1日施行、第R523-21条(罰則)は、2013年7月1日施行である。
このデクレは、環境法典第L523-3条にいう、年次申告から得られた情報を提供する政府機関を指定しており、3条からなる。このデクレの第1条によって、環境法典の「命令の部」の第5巻「汚染、リスク及び迷惑の防止」第2編「化学製品、殺生物製品及びナノ粒子状物質製品」第4章「ナノ粒子状物質への暴露による健康・環境リスクの防止」に第D523-22条を追加した。第D523-22条は、2013年1月1日施行である。
 この命令は、環境法典第R523-12条及び第R523-13条に基づくナノ粒子状物質の年次申告の内容及び提出条件を規定しており、8条と附属書「申告すべき情報」から成り、以下の内容になっている。
 第1章 対象
  第1条
  (1)申告者の定義。
  (2)第R523-12条にいう個数サイズ分布における最低比率は、50%とする。
 第2章 申告の内容
  第2条
  (1)申告すべき内容は、附属書に規定。一部項目は申請なしに秘密扱い。
  (2)附属書Ⅱ-2の項目は、他法令で要求されている場合は提出すること。
  (3)附属書Ⅱの項目の提出について。
 第3章 申告の要件
  第3条
  (1)申告書番号を申告者に通知。
  (2)申告者が申告したナノ粒子状物質を譲渡する場合は、譲渡先に申告書番号を通知すること。
  (3)申告者が流通者の場合の特例。
  (4)申告者が輸入者の場合の特例。
  第4条
  (1)科学的研究開発の場合について。
  (2)科学的研究開発であって上市しない場合、附属書Ⅱ-1の項目だけを申告。
  第5条 第4条による場合も完全な申告書・理由書が提出されたものとみなす。
 第4章 申告書の送付の方法
  第6条 電子的に送付すること。
  第7条 2013年1月1日に発効。
  第8条 この命令の担当部署。
(五十嵐卓也、岸本充生)