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2012年5月 欧州で殺生物製品の上市と使用に関する規制が採択

欧州閣僚理事会は2012年5月10日、殺生物剤の上市と使用に関する欧州議会および理事会の規制(PE-CONS 3/12E)を採択した(本文へのリンク)。近々、欧州官報に掲載され、2013年9月1日から施行される。以前の指令(directive)から規制(regulation)となった。新しい規制の目的はEU内での殺生物製品に関する認可手続きを簡素化・調和することであり、殺生物製品に利用できる活性物質のEUレベルでのリストを確立し、EU内で認可を相互承認し、輸入されたものも含めてEU市場に出る殺生物製品を含む処理成形品(treated article)にも適用される。そしてこの規制には、ナノマテリアルはその安全性を別途評価すべきものと位置づけられ、多くの記述が見られる。

 

序文の66において、ナノマテリアルの安全性については科学的不確実性があるので、ナノマテリアルの共通の定義を作成すること、および、明記されない限り、活性物質の承認にはナノ形態を含まないことを明記する必要があると書かれている。
Chapter Ⅰ(スコープと定義)のArticle 3(定義)の1の(z)で「ナノマテリアル」の定義が書かれている。これは欧州委員会が2011年秋に定めた定義をほぼ同じであり、これが引用された初めての規制となる。
「ナノマテリアル」とは、ばらばらの状態で、あるいは、弱凝集体(アグリゲート)または強凝集体(アグロメレート)として、50%以上の数の粒子の1つ以上の外径が1~100nmサイズ幅である、天然のあるいは工業的に製造された活性物質あるいは非活性物質を意味する。1つ以上の外径が1nm未満のフラーレン、グラフェン片、そして単層カーボンナノチューブもナノマテリアルと考えるべきである。
続く3では、ナノマテリアルであるかどうかは、欧州委員会の定義を参照せよと書かれており、4では技術的および科学的進歩を反映して適宜見直すことが指示されている。
Chapter Ⅱ(活性物質の承認)のArticle 4(承認の条件)において、活性物質の承認はナノマテリアルを含まないと書かれている。つまり、通常の物質とは別の手続きが必要であるということである。Article 19(認可を与えるための条件)には「当該製品にナノマテリアルが使用されている場合、ヒト健康、動物の衛生、そして環境へのリスクは別に評価されてきた」と書かれている。
Chapter V(簡略化された認可手続き)のArticle 25(簡略化された認可手続きのための適格性)においては、条件(c)において「殺生物剤にはナノマテリアルが含まれない」と書かれている。
Chapter VIII(処理成形品)の3の(d)にはラベルに「殺生物剤に含まれるすべてのナノマテリアルの名称とそれに続いてカッコ内にナノ」と記述すべきことが書かれている。
Chapter XV(情報とコミュニケーション)のSection 1(監視と報告)のArticle 65(要請の遵守)の3の(d)には、2015年9月1日から5年ごとに加盟国は欧州委員会に規制の施行状況を報告しなければならないことが記述され、報告書に書くべき内容の1つに、「殺生物剤におけるナノマテリアルの使用とそれらの潜在的なリスクに関する情報」が挙げられている。Section 2(殺生物剤についての情報)のArticle 69(殺生物剤の分類、包装、ラベリング)の2の(b)には、ラベルが明確に示すべき内容の1つに「製品に含まれているナノマテリアル、およびそれ特有のリスク、カッコ内にナノとの記述」が挙げられている。
Annex Ⅱ(活性物質について要求される情報)の5において、有害性試験はREACHのための試験方法に従うべきであるが、ナノマテリアルに対してそのまま適用する場合や、ナノマテリアルの特性に合わせた調整を行う場合は、その科学的妥当性を説明すべきと書かれている。
Annex Ⅲ(殺生物剤について要求される情報)の5において、認可のために提出される試験についても上記と同じことが書かれている。
Annex VI(殺生物剤についてのドシエの評価のための共通原則)の2でも、ナノマテリアルについては最新の科学情報を考慮して調整する必要アリと記述されている。