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2011年6月 欧州で成立した改正RoHS指令に残る「ナノマテリアル」関連の記述

2011年6月8日に正式に決定した改正RohS指令が7月1日のEU官報(Official Journal of the European Union )に掲載された(pdfファイル)。7月21日に施行され、メンバー国では2013年1月2日までに国内法制化しなければならない。以前の記事(2010年11月 欧州ROHS指令改正案が欧州議会で決着)に書いたように、制限物質リストから「長い多層カーボンナノチューブ」や「銀ナノ」は削除され、ナノラべリングなどの記載もなくなったが、このたび成立した指令にもナノマテリアルについての記述は残っている。全体の中で「ナノ」が出てくるのは1カ所だけで、それは前文(16)である。ここでは、ナノマテリアルが「非常に小さい(very small)」と抽象的に定義されてる。

前文(16) 科学的証拠が利用可能になり次第、また予防原則を考慮しながら、サイズや構造に関連する特性のために有害かもしれない、非常に小さいサイズまたは非常に小さい内部構造/表面構造を持つあらゆる物質(ナノマテリアル)を含む、その他の有害物質の制限、および、少なくとも同レベルの消費者保護を確保できるそれらのより環境にやさしい代替物質との代替を検討すべきである。この目的のために、付属書IIにある制限物質リストの審査と修正は首尾一貫しているべきであり、他のEU法令(特に規則(EC)No 1907/2006)との相乗効果を最大限にし、またそれにより実行される施策の相補的性質を反映し、同時にこの指令とその規則の互いに独立した運用を確保すべきである。利害関係者との協議が行われるべきであり、特に中小企業への影響が考慮されるべきである。
「非常に小さい(very small)」という言葉は第6条にも出てくる。ここは制限物質リストの見直しに関する条項であり、2014年までに制限物質リストの見直しが行われ、その際、ナノマテリアルが主要な対象と想定されていることが分かる。また制限物質の審査には製品のライフサイクルにおける曝露可能性あるいは環境放出可能性が重視されることも書かれている。十分な備えが必要だろう。
第6条 付属書IIにある制限物質リストの審査と修正
1.第1条で定められた目的の達成をめざし、また予防原則を考慮しながら、徹底的な評価に基づく審査、及び、付属書IIにある制限物質リストの修正は2014年7月22日より前に欧州委員会により検討され、その後も定期的に、自主的にまたは第2段落に記述されている情報を含んだメンバー国による提案の後、検討される。
付属書IIにある制限物質リストの審査と修正は、化学品に関する他の法律と一貫性を持ち(特に規則(EC)No 1907/2006)、また特に規則の付属書XIVとXVIIを考慮する。審査はそのような法律の適用から得られる一般に入手可能な知識を使用する。
付属書IIを審査し修正するために、欧州委員会はある物質(非常に小さいサイズまたは非常に小さい内部構造/表面構造を持つ、または類似物質のグループを含む)が下記(a)~(d)の可能性があるかどうかについて特に考慮する:
(a)電子電気機器(EEE)の廃棄物管理業務中に悪影響があるかもしれない(廃棄EEEの再使用の準備または廃棄EEEからの材料のリサイクルの可能性を含む);
(b)現在の使用条件での廃棄EEEからの材料の再利用の準備、リサイクルまたは他の処理を通して、その物質の環境への無制御なまたは拡散した放出を生じさせ、有害な残留物、または変質物または分解産物を生じさせるかもしれない;
(c)廃棄EEEまたは処理行程に係る労働者の受け入れられない曝露につながるかもしれない;
(d)悪影響が少ない代替物または別の技術に変えることができるかもしれない。
その審査の間、欧州委員会は、経済操業者、リサイクル業者、処理業者、環境保護団体、従業員、及び消費者団体を含む関係者と協議する。
2.制限物質のリストまたは類似物質グループの審査と修正の提案について、付属書IIは少なくとも以下の情報を含む:
(a)制限提案の正確で明快な文言;
(b)その制限の参考文献及び科学的証拠;
(c)EEEのなかのその物質または類似物質グループの使用に関する情報;
(d)有害影響と曝露に関する情報(特に廃棄EEEの管理作業中の);
(e)可能な代替物及び他の代案、それらの可用性と信頼性についての情報;
(f)最も適切な対策としてのEU全体での制限を考慮する根拠;
(g)社会経済学的評価。
3.本条(第6条)で言及された対策は、第20条に従って、委任決議によりEUに採択され、第21条及び第22条に制定された条件の制約を受ける。