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2015年8月 複層カーボンナノチューブ(MWNT-7)に係る7月以降の厚生労働省の対応について

先に紹介したように、6月23日に開催された厚生労働省「化学物質のリスク評価検討会(有害性評価小検討会)」は、複層カーボンナノチューブ(MWNT-7)のラットに対するがん原性及び遺伝毒性を認め、厚生労働大臣が定める「化学物質による健康障害を防止するための指針」を策定すべきことと、「化学物質のリスク評価に係る企画検討会」によるリスク評価の対象とすべきと結論した。

この判断を受けて、7月23日に開催された「第2回発がん性評価ワーキンググループ」および、7月30日に開催された「第3回化学物質のリスク評価に係る企画検討会」において、複層カーボンナノチューブ(MWNT-7)の取り扱いについて検討がされたので、その内容について報告する。

第2回発がん性評価ワーキンググループは、「化学物質による健康障害を防止するための指針(指針)」に盛り込むべき内容について検討された。委員から、指針は「MWNT-7相当のもの」、あるいは「MWNT-7に代表されるようなもの」といった表現が適当ではないか、また、MWNT-7以外の複層カーボンナノチューブについてはまだ情報が少なく、結論を出すべき段階にないとの意見が出された。指針にどのようなカーボンナノチューブまで含まれるのかについての最終的な判断は次回以降の会合に持ち越しとなった。

一方、第3回化学物質のリスク評価に係る企画検討会では、労働者のばく露リスクを評価するための「有害物ばく露作業報告対象物質」に複層カーボンナノチューブ(MWNT-7)を選定すべきかどうかが検討された。対象物質は、労働者のばく露状況を把握するために労働安全衛生法第100条および労働安全衛生規則第95条の6の規定に基づいて年間500kg以上の対象物質を製造する、または取り扱う事業場は、その用途、労働者が行う作業の種類、製造・取扱量等を届け出ることが義務付けられる。厚生労働省は提出された情報に基づいて、労働者ばく露のリスク評価を実施する。MWNT-7については、製造企業が2014年に製造を中止しており、市場に残っている量も500kgに満たないことが調査で判明していることから、リスク評価対象物質からは外された。MWNT-7以外の複層カーボンナノチューブについてはヒトに対する有害性を判断するに十分なデータがないことから、引き続き情報収集に努めるが、リスク評価対象物質とはしないと決定された。

(文責:関谷瑞木)