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2011年4月 米国事業者団体がEPAに毒性試験枠組みを提案

<背景>

米国EPAは、有害物質規制法(TSCA)のもとですでに、カーボンナノチューブ(CNT)については「異なる製造業者や異なるプロセスで製造されるCNTは、TSCAのもとでの新規物質報告の目的にとっては、異なる化学物質であると考えられるだろうとEPAは認識している」として、ラットを用いた90日間吸入毒性試験の実施を各社に求めている。しかし、中小企業やベンチャー企業などからは安全性評価の負担が大きすぎるため、合理的な有害性試験の枠組みを求める声が強かった。
<提案のポイント>
米国の炭素系のナノ材料メーカーで作る事業者団体「炭素のためのナノ安全コンソーシアム(NCC)」は4月6日付けで、米国環境保護庁(EPA)の化学物質規制部門のAlwood氏宛てに、有害性試験の協定案を公開で送った。動物試験等の有害性試験は、多層CNT、二層CNT、単層CNT、グラフェン・ナノプレートレットの4種類について、代表的な材料1つずつに対して実施し、結果も公開されることを提案している。試料の調製には国立標準技術研究所(NIST)、特性評価には米国陸軍工兵隊研究開発センター(ERDC)が参加することも提案されている。
今後生産される炭素系ナノ材料についての記述はM項にある。ここでは、新たに生産される炭素系ナノ材料について、「EPAは署名者に、新たな毒性試験を要求せずに既存のナノスケールのカーボン製品を合理的な範囲[tbd]で修正することを許可する」としている。つまり、今回の協定に参加したNCC内の署名事業者は、一定の範囲内で追加の試験を免除されることが明記されている。ただし「合理的な範囲」については、[tbd]=「将来決定する」とされており、まさにこの「既存の材料と同一であると見なせ範囲」をどうやって設定するかこれから国際的にも議論になると思われる。
<付録:本文>
提案本文(pdfの和訳をpdfファイルで掲載しました。