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2011年12月 米国EPAがカーボンナノチューブ7物質にSNURを提案

米国環境保護庁(EPA)は12月28日付の官報において、TSCA 5(a)(2)に基づき、製造前届出(PMNs)の出された17化学物質に対して重要新規用途ルール(SNURs)を提案した。この内、7物質がカーボンナノチューブ(CNT)で、その他フラーレン誘導体もいくつか含まれている。

これらの7つのCNTはすべてすでにTSCA 5(e)に基づく同意指令が出されたものである。カーボンナノチューブは事業者あるいは製法ごとにすべて別の化学物質という扱いであるため、同意指令の内容とSNURsの内容はほぼ同じになっていると思われる。これらの物質を製造・輸入・加工する90日前までに重要新規用途通知(SNUN)をEPAに提出しなければならない。本件へのコメント提出期間は当初の1月27日から3月半ばまで延期された。
今回の提案SNURsの対象となっているCNTは1つを除きすべて多層CNTである。時期やすでに行った試験の種類などによって、SNURsの内容が少しずつ異なる。事業者ごとにまとめられているので、CNTについては合計5種類のSNURが提案された。90日間吸入暴露試験の中で、心血管への毒性や心臓の組織病理的観察なども求められるようになった。それぞれの個別の記述については和訳を用意したのでリンク先のpdfファイルをご覧いただきたい。また同意指令やリスク評価レポートは、米国政府のサイトから番号を入れて検索してください。
P-08-733とP-08-734 →和訳1
ともに多層CNTであり、同意指令の発効日は2010年7月26日。事業者名は秘匿だが、修正版の同意指令が公開されている。
P-09-188 →和訳2
多層CNTであり、同意指令の発効日は2010年12月14日。事業者名は秘匿だが、修正版の同意指令が公開されている。
P-09-417 →和訳3
多層CNTであり、同意指令の発効日は2010年3月23日。ナノシル社の材料で、修正版の同意指令とともにリスク評価レポートが公開されている(ただしリスク評価レポートにはCNano Corporationと表記されてあり間違いの可能性がある)。90日間吸入暴露試験の結果をすでに提出済みであり、要求事項には入っていない。無影響濃度(NOEC)が0.1mg/m3とされている。
P-10-39とP-10-40 →和訳4
39は多層CNTで、40は単層及び多層CNTであり、同意指令の発効日はそれぞれ2010年8月30日と7月26日。Nanocomp Technologies,Inc.の材料で、修正版の同意指令とリスク評価レポートがともに公開されている。リスク評価レポートでは他の多層CNTによる90日間吸入暴露試験の結果である最低毒性濃度(LOAEC)=0.1mg/m3を不確実性係数27(亜慢性であることは1、ラットからヒトへの外挿は1、LOAELからNOAELへ3、感受性の高い労働者保護で3、データベースの不確実性で3)で割って導出した0.0037mg/m3という新規化学物質暴露限度(NCEL)を用いたリスク評価が実施されている。
P-10-246  →和訳5
多層CNTであり、同意指令の発効日は2011年4月4日。製造者はUBE Americaで宇部興産株式会社の海外拠点であると思われる。90日間吸入暴露試験の結果からLOAEC=0.1mg/m3とされているが、これこれが当該材料によるものかどうかは不明である(少なくともPMN提出時には実施していない)。不確実性係数の一部とNCELの値は秘匿扱いになっているが、P-10-39と40のケースと同じではないかと推測される。